オーダーメイドのファサードという仕事
建物の正面を覆う外装材は、カーテンウォールと呼ばれます。株式会社LiHaSuが手掛けるのは、ガラスカーテンウォールやスチールカーテンのオーダーメイドのファサードで、既製品を並べるのではなく、建物ごとに設計から製作、施工までを起こしていきます。ガラスに限らず金物や開口枠まで含めてプロデュースするため、外観全体を一枚の絵として組み立てられます。人の目に留まる表舞台を、建物に合わせて一から仕立てる仕事です。
社内で製作から施工まで起こすからこそ、図面の狙いを現物へ移すときのずれが小さくなります。描いた線と出来上がりが食い違えば、オーダーメイドの意味は薄れます。一貫して手を動かせる体制が、その一棟のためだけの外観を成り立たせています。
一から起こすからこそ、建物の狙いを読み取る段階が重みを持ちます。どんな表情の外観にしたいのか、どれだけの光を取り込みたいのかを踏まえ、ガラスと金属の組み合わせを決めていきます。既製品を当てはめる仕事とは、入り口からして性質が異なります。そのため、最初の読み取りを外すと、後の工程すべてに響いてきます。
ガラスと外壁、二つの見せ場
ガラス工事では、点支持を用いたフレームレスの工法や合わせガラスの二次加工を扱います。フレームを目立たせない納まりは、透明感のある開放的な空間を生み、建物の内側に光を呼び込みます。もう一方の外壁工事は、一般的なアルミ製品では意匠的な要求を満たしにくい開口部に、繊細で軽快な見た目を持たせる領域です。台風などの外力や上下階の変位差に追従する工法を用いることで、デザインと安全を同時に立てています。光を招く工夫と、力に耐える工夫が、一つの外装の中で釣り合っています。
工法の選び方は、建物の見せたい表情によって変わります。開放感を前へ出す場面ではフレームレスの納まりを、軽やかな意匠を求める場面では外壁の工法をと、狙う印象に応じて手札を切り替えます。同じ外装でも、建物ごとに最適な組み合わせは違ってきます。
見た目と耐力を同じ設計で扱うことには、後々の効きめもあります。時間が経っても意匠が崩れにくく、強風や地震のあとでも印象が保たれるためです。仕上げた直後の美しさだけでなく、数年先の姿まで見据えた工事になっています。
見落とされがちな、金物という土台
華やかなガラスや外壁の陰で、金物工事は建物の使い勝手を支えています。鉄骨の階段や手摺をはじめ、多様な金属製品の加工を担うのがこの分野です。専門業者でも扱える材質が限られがちななか、株式会社LiHaSuは独自のネットワークを活かして幅広い素材に応じられます。正直なところ、表に出にくい金物までプロデュースの視野に入れている点が、外観を一枚の絵として仕上げる発想の要だと感じました。延焼への配慮まで含め、細部の精度が建物全体の価値を押し上げていきます。見えにくい部分ほど、丁寧さが後から効いてくる領域です。
金物の出来は、建物が使われ始めてからも効いてきます。手摺の握り心地や階段の安定感は、日々の使い勝手にそのまま直結するためです。目立つ部分だけでなく、こうした足元の精度まで見ているところに、外観を一枚の絵として捉える構えがにじみます。ガラスと金属が別々の担当に分かれると、境目で狙いがずれがちです。素材をまたいで面倒を見られるからこそ、色味や質感までそろえた全体の調和に手が届きます。一枚の絵として最後まで見通せることが、この会社の仕事のかたちになっています。


