熱可塑性樹脂のコンパウンド製造を軸にした事業展開
TRコンパウンドやPVCコンパウンドなど、スチレン系ポリマーをベースとした熱可塑性エラストマーの製造がダイヤモンド樹脂工業株式会社の中核事業にあたる。ゴムに近いしなやかさを持ちながら成形加工がしやすいという特性から、自動車部品や日用品といった製品の素材として採用されてきた。塩化ビニールを主原料とする床材の製造も手がけており、公共施設や商業空間、住宅の現場で使われている。用途ごとに求められる性能が異なるため、配合設計の段階から技術者が仕様を詰めていく工程が欠かせない。
個人的には、ひとつの原料から用途別にまったく異なる物性を引き出す配合技術の奥深さが印象的だった。葛飾区の工場では原料選定から試験加工までを一貫して進めており、外部メーカーからの委託加工案件にも長年応じてきた実績がある。大手樹脂メーカーとの取引を通じて蓄積されたノウハウが、現在の製造品質を下支えしている。創業から60年以上という時間の中で、時代ごとの素材ニーズに対応しながら技術を更新し続けてきた経緯がうかがえる。
着色・リサイクル加工が生む付加価値
プラスチック原料への着色加工やリサイクル処理は、ダイヤモンド樹脂工業が展開するサービスのうち、取引先から繰り返し依頼が入る領域になっている。自社製造のコンパウンドに限らず、持ち込み原料に対しても配合設計や試験加工を行い、求められる色味・物性を再現する。こうした受託加工の経験が積み重なることで、配合パターンのデータベースが厚みを増してきた。複雑な色調整や特殊な物性要求にも応じられる背景には、このデータの蓄積がある。
製造ラインでは工程ごとのチェック体制が敷かれ、材料投入から仕上がりまで品質の振れ幅を抑える管理が行われている。納期についても「必要なタイミングで必要量を届けてくれるので助かる」という声が取引先から寄せられているという。安定供給を支えているのは在庫管理と生産スケジュールの精度で、突発的な増産依頼にも一定の柔軟性を保っている。新しい加工手法の試行も並行して進めており、付加価値の高い素材開発への意欲は衰えていない。
未経験スタートの社員が多い製造現場
先輩社員の多くが異業種や未経験から入社しているという事実は、この会社の教育環境を端的に示している。新人にはマンツーマンの実践指導がつき、材料の配合から成形・仕上げまでの各工程を段階的に覚えていく流れが組まれている。フォークリフト免許や危険物取扱者乙種第4類といった資格の取得費用は全額会社負担で、取得後は原料運搬などの専門作業を任される場面が増える。資格が昇給や賞与に反映される仕組みもあり、スキルアップの動機づけとして機能している。
ある中途入社の社員は、入社半年でフォークリフト免許を取得し、担当業務の幅が一気に広がったと話していたそうだ。学歴や職歴を問わず正社員採用を行っているため、ブランクのある応募者や転職希望者も受け入れている。製造業が初めてでも、現場で手を動かしながら技術を身につけていける環境が整っている形だ。
葛飾区の工場を拠点にした働き方と待遇
東京メトロ千代田線の綾瀬駅から徒歩約16分、車なら約5分ほどの距離にダイヤモンド樹脂工業の工場は位置する。マイカー・バイク通勤が認められており、葛飾区や足立区周辺から通う社員が多い。転勤がないため、地元で腰を据えて働きたいという希望と相性がよい職場といえる。髪型や髪色の自由度が高い点も、製造業としてはやや珍しく感じる利用者もいるようだ。
年間休日は100日以上で、隔週土日祝日が定休日に設定されている。昇給・賞与に加えて家族手当や資格手当が支給され、退職金制度と社会保険も完備。長期で働くことを前提にした制度設計がされているため、将来の生活設計を立てやすいという声が目立つ。若手からベテランまで在籍しており、それぞれのペースでキャリアを積み上げていける風土が根づいている。


