高級輸入車の輸送に37年間向き合ってきた専門集団
ビー・エム・ダブリュー東京株式会社やAudi Volkswagen Retail Japan株式会社との取引が長期にわたって続いている事実は、株式会社コイデ・オートジーの仕事ぶりを端的に物語っている。1987年の創業以来、高級輸入車の輸送だけに軸足を置き続けてきた。車両ごとに異なる取り扱い要件を熟知したスタッフが、塗装面の保護から積載時の固定方法まで細部を管理しながら運ぶ。個人的には、ここまで一つの領域に集中し続けている物流会社は珍しいと感じた。
世界的ブランドが求める品質水準を満たし続けるには、業界動向への感度が欠かせない。新型車のボディ形状や電装系の変化に合わせて輸送手順を更新し、現場レベルで即座に反映させる仕組みが根づいている。価格だけで比較されにくいポジションを築けているのは、こうした専門知識の蓄積があるからだという声が取引先から聞こえてくる。結果として、取引の継続年数が10年を超えるクライアントが複数存在する。
輸送から登録手続きまで一社で完結する「まるごと代行」
ディーラー間の車両移動、エンドユーザーへの配送、さらに登録業務を含むエントランス作業——これらを個別の業者に発注していた従来のやり方を根本から変えたのが、株式会社コイデ・オートジーの「まるごと代行」という仕組みだ。一般貨物自動車運送事業と貨物利用運送事業の双方の認可を取得しており、法的な裏付けのもとで全工程を一括で請け負う。複数の業者とのやり取りが不要になるため、発注側の管理工数は大幅に減る。情報の伝達ロスが起きにくい構造になっている点も見逃せない。
あるディーラーでは、従来3社に分けて依頼していた業務をコイデ・オートジーに集約した結果、月あたりの調整業務にかかる時間が目に見えて短縮されたという。工程間の引き継ぎが社内で完結するため、トラブル発生時の原因特定も速い。「窓口が一つになっただけで、これほど楽になるとは思わなかった」と担当者が話していたのが印象に残っている。納車スケジュールの精度が上がり、エンドユーザーへの案内もスムーズになったそうだ。
横浜2拠点と70名体制で首都圏をカバー
神奈川県横浜市の港北区に本社、青葉区に営業所を構え、東京・神奈川を中心とした首都圏の輸入車市場に対応している。スタッフ数は約70名。小型バンからトレーラーまで車両の種類を揃えており、1台単位の配送にも複数台の一括輸送にも即応できる体制を敷く。日本最大規模の輸入車需要が集中するエリアに拠点を絞ることで、移動距離と時間のロスを最小限に抑えている。
首都圏特有の道路事情——曜日や時間帯で激しく変動する渋滞パターンや、都心部の狭い搬入経路——を日常的に走り込んでいるドライバーが揃っているのは、地域集中型の運営ならではだろう。週末のイベント搬入や早朝のディーラー納車といった時間指定の厳しい案件でも、遅延なく対応できるという評判が取引先の間で広まっている。
段階的な研修プログラムで現場品質を底上げ
株式会社コイデ・オートジーでは、新人ドライバーに対して書類選考・面談から始まり、法令研修、現場研修、卒業検定までを段階的に設けた教育課程を用意している。一足飛びに現場へ出すのではなく、各ステップで基準をクリアした者だけが次に進む。神奈川県トラック協会との連携を通じて安全講習の内容も定期的にアップデートしており、業界基準の変化に後れを取らない体制を維持している。高級車両を扱う以上、技術と意識の両面で一定の水準を保つことは譲れない条件だ。
実際の研修現場では、積載車への固定手順を車種別に反復練習する時間が長く取られている。先輩ドライバーが横に立ち、ベルトのテンション具合やタイヤ止めの位置を一つひとつ確認していく様子は、職人的な技術伝承に近い。「研修が厳しかった分、独り立ちしてからの判断に迷いが少ない」と話すスタッフもいた。こうした地道な育成の積み重ねが、現場での事故率低減やクレーム抑制につながっている。


