昭和から続く、ピアノ教室という原点
株式会社Musicaldを語るとき、不動産の前にまず音楽がある。代表取締役の河越敦子が自宅でピアノ教室を開いたのは昭和54年。同じ年、ビクター(現ローランド)音楽教室の講師にもなっている。そこから数えれば、音楽を教える仕事はすでに長い歳月を重ねてきた。平成29年に設立された株式会社Musicaldの事業内容を見ても、その先頭に置かれているのは不動産ではなく音楽教室の経営だ。社名の株式会社Musicaldそのものが、この原点を今も背負っている。長く一つのことを続けてきた人だけが持つ重みが、会社の成り立ちの根にある。
法務と不動産を、後から重ねる
音楽一筋だった歩みに、やがて別の専門が加わっていく。平成8年、河越敦子は兵庫県で行政書士の登録を受け、河越敦子行政書士事務所を開設した。教えることと、書類や法令を扱うこと。畑違いの二つを並行させながら、平成22年には不動産賃貸業を営む株式会社KTコーポレーションの取締役にも就いている。
こうして音楽、法務、不動産という三つの現場を経た先に、平成29年の株式会社Musicald設立があった。異なる領域を時間をかけて一人のなかに積み上げてきた経歴は、付け焼き刃では到底まねできない。取材を通じて、この会社の落ち着きは代表のこうした来歴から来ているのだと腑に落ちた。
教える姿勢が、住まいの事業にも流れる
生徒と一対一で向き合うピアノ教室の流儀は、不動産部門の進め方にも通じている。株式会社Musicaldが掲げるのは、入居者の立場に立ち、安心して暮らせる貸家を用意するという方針だ。希望を聞き取り、合う物件を一件ずつ紹介していく手数のかけ方は、生徒の歩みに合わせて教える音楽教育の作法とよく似ている。神戸市東灘区に本店を置き、りそな銀行茨木西支店や三菱UFJ銀行茨木支店を主要取引銀行とする堅実な土台の上で、相手と長く付き合うという一貫した構えが、音楽と住まいという二つの事業を貫いている。


