住宅にとどまらない設計の守備範囲
設計事務所と聞くと新築の一戸建てだけを思い浮かべがちだが、受けられる仕事の幅はもっと広い。藤田亮建築設計事務所の業務内容は、一般住宅と建築物の設計・監理と掲げられている。木造住宅を中心に据えつつ、店舗や事務所、医院、施設といった住宅以外の建物にも対応する構えだ。リフォームやリノベーションの相談も受けており、暮らしの器をゼロから建てる依頼ばかりではない。
対応する内容が多岐にわたるぶん、料金は案件ごとに見積もる形をとっている。住宅以外の建物や複雑な改修では、既存建物の調査や設備図面の作成が加わり、作業が入り組むことも多い。参考として総工事費の8〜12%前後という目安は示されるが、規模や中身に応じて都度算定される。2025年の建築基準法改正で、新二号建築物のスケルトンリフォームにも確認申請が要る点まで織り込んで話が進む。
新潟県最北の村上を構える拠点
拠点は、新潟県の一番北に位置する村上市だ。事務所は加賀町2-10にあり、代表の藤田亮が自宅の一部を改修してそのまま仕事場にしている。業務時間は平日の9時から17時だが、現場に出ている時間が長いため、来所の際は事前の連絡が欠かせない。地元に腰を据えた一人体制だからこそ、周辺の土地勘や気候への理解が設計に生きてくる。
新潟県知事登録第5374号を持ち、新潟県建築士会の岩船支部に名を連ねている。地盤や積雪、海からの風といった地域特有の条件は、図面を引くうえで無視できない要素だ。前面道路との高低差や上下水道・ガス管の有無まで事前に調べ、地盤改良の要否にも先回りして見当をつける。土地を知る設計者が近くにいる心強さは、遠方の大手にはない持ち味になる。
遠くの依頼にも線を引く柔軟さ
拠点は村上でも、仕事の範囲がそこだけに閉じているわけではない。料金表には新潟県外へ向かう際の交通費が別項目として記され、遠隔地の依頼も想定に入っていることがうかがえる。正直なところ、一人の設計事務所でここまで対応先を限定しない構えは、取材のなかで頼もしく映った。
もっとも、どこまで足を延ばせるかは現場との距離や内容次第で変わる。無理に請け負って監理が手薄になるより、通える範囲で丁寧に見届けることを優先する判断もある。問い合わせの段階で立地や規模を伝えれば、対応の可否から率直に相談に乗ってくれる。まずは電話やメールで間口をたたいてみるところから始めやすい。


